人体の不思議展 学術ではなく見世物へ
長野市で開催されている「人体の不思議展」に行ってきた。
私は、’95年に、開催された時に、わざわざ長野から横浜まで、この展示会を見に行ったのだが・・・。
率直な感想。
なんじゃこりゃ?
’95年の時に見たのと、全然違う!!
雑だな・・・。
内臓系の展示がほとんど無い。
みんなアジア系じゃん。
学術的な解説も無い。
と、物凄く落胆してしまった。
何かが、前回と違う・・・。
そう感じて、調べてみた。
すると、出て来る出て来る。色々なことが。
1)横浜の時と製法が違う
横浜の時は「プラスティネーション」という技術
今回は、「プラストミック」
何が違うのかは、詳細はわからないが、とにかく、”手抜き”製法のようだ。
2)目的が違う
横浜の時は学術的意図が強い。
今回は、どうも、”見世物”。
営利目的のようだ。
(もちろん、横浜の時もボランティアではなかったと思うが)
3)献体が違う
このあたりから、少々生臭い話に。
どうも、今、全国を巡回中の、「人体の不思議展」で展示される標本は中国の”工場”で作られているらしい・・・。
しかも、献体は、中国の死刑囚といううわさが・・・。
無論、本人の意思確認がなされているかも不明。
そういえば、’95年の時には、欧米系の献体だった。
それを考えると、上記のうわさも、何となく本当のような気がする・・・。
このような、医学生が解剖学を学んだり、医学の進歩のための解剖などに用いる場合は、もちろんのこと、今回のような展示会こそ、御本人の尊い意思で提供されなければ・・・と私は考えている。
少なくとも、’95年の横浜の時には、
「御本人の尊い意思により、このような展示ができました」
といったコメントが、いたるところに書いてあった。
もちろん、単に言い訳や、日本人の感情に配慮しての記述かもしれない。
しかし、どうしても、最近の展示は、
・日本人のイベント屋が儲けたい
・中国政府が外貨を稼ぎたい
・どうせ、死刑囚だから本人の意思なんて関係ない。
という気がしてならない。
さらに問題なのが、この展示会に、
後援:県の教育委員会、医師会など
協力:信州大学医学部
と名を連ねている事。
もし、先に書いたうわさが事実なら、教育委員会や医師会、医学部が協力するなんて・・・。
私の見方が悪かったのかもしれないが、少なくとも私には、学術的な意図は見出せなかった。
とても残念でならない。